この異世界ではネコが全てを解決するようです 〜ネコの一族になって癒やしの力を振りまいた結果〜
6話 知りたくなかったこと
なみなみと、淡い琥珀色の液体がグラスに注がれる。
ミケが侍従長から掻っ払ってきてくれたのは、甘口の白ワインだった。
それと同じ色をしたまんまるの目が、至近距離から見つめてくる。ネコの目だ。
『おい……おーい? 珠子ぉ? 珠子やーい? お前、焦点が合っとらんぞ? 大丈夫か? 我のこのキュートな後ろ足、指は何本に見える?』
「……よんほん」
『いや、そんなわけっ……合っとるな』
「猫ちゃんの後ろ足の指は、四本ずつ……」
母親気取りのネコは、私が酔い始めているのに気づいてそわそわしている。
時刻は、午後九時を回ったところ。
場所は、王宮の奥も奥──王妃様のプライベートスペースである。
大きなテーブルの上には所狭しと酒の肴が並び、空になったワインボトルが何本も立てられていた。
その隙間をぴょんぴょんと跳ね回り、五匹の子ネコが追いかけっこをして遊ぶ。
テーブルは四脚の革張りのソファで囲まれており、ネコを膝に乗せた私はその一つの真ん中に陣取っていた。
そして……
ミケが侍従長から掻っ払ってきてくれたのは、甘口の白ワインだった。
それと同じ色をしたまんまるの目が、至近距離から見つめてくる。ネコの目だ。
『おい……おーい? 珠子ぉ? 珠子やーい? お前、焦点が合っとらんぞ? 大丈夫か? 我のこのキュートな後ろ足、指は何本に見える?』
「……よんほん」
『いや、そんなわけっ……合っとるな』
「猫ちゃんの後ろ足の指は、四本ずつ……」
母親気取りのネコは、私が酔い始めているのに気づいてそわそわしている。
時刻は、午後九時を回ったところ。
場所は、王宮の奥も奥──王妃様のプライベートスペースである。
大きなテーブルの上には所狭しと酒の肴が並び、空になったワインボトルが何本も立てられていた。
その隙間をぴょんぴょんと跳ね回り、五匹の子ネコが追いかけっこをして遊ぶ。
テーブルは四脚の革張りのソファで囲まれており、ネコを膝に乗せた私はその一つの真ん中に陣取っていた。
そして……