まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ナビーシャの大声と共に、煙がパッと消えた。煙にまぎれたのか、子供はすでにこの場を立ち去っている。取り逃がしてしまったらしい。

「おみじゅあげる。めをあらって」

 テティウスがその場で出した水で、被害者達の顔を洗う。痛みがなくなったところで、その場は一応の落ち着きを取り戻した。

「まったく、楽しいお祭りを台無しにしてくれちゃって」

 あの子供は掏りで、財布を奪われたそうだ。気づいて追いかけようとしたところ、目の痛くなる煙を発生させられたらしい。

「ナビ子しゃん、あのこのいばしょわかる?」
「ふふん、アタシを誰だと思ってるの? バッチリ印はつけといたわよ。相手が魔術師だったら厄介だけど、子供なら楽勝ね! 自分が魔術をかけられたことさえ気が付いていないわ」

 ナビーシャは、通りすがりに、あの子供に魔術をかけていた。事前に目印をつけておけば、どこにいても居所がわかる魔術だ。
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