まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「――消えた!」

 今度はその蝶達が合体して、一羽の大きな鳩になる。鳩が羽ばたき、風が生まれた。
 その風がテティウスの髪を揺らす。

(これが、魔術芸団――)

 今まで、魔術のこんな使い方を目にしたことはなかった。
 兄姉達は攻撃魔術や肉体強化の魔術を学んでいるけれど、いくらなんでも魔術の勉強は早いと、テティウスは兄姉達の魔術の稽古を見学したことはなかった。
 攻撃魔術が危険なことはわかっていたし、いずれ時期が来れば勉強することもあるのだからとおとなしくしていたけれど――。
 魔術芸団の芸を見ていたら、なんだかそわそわとしてきた。
 テティウスの目の前で、鳩は再び姿を変える。
 一家のいる庭園の土が盛り上がったかと思うと、そこには立派な塔が瞬時にしてできていた。窓や扉まで作られているこだわりぶりだ。大きさは、本日の主役、双子達と同じぐらいだろうか。
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