まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 舞い上がった水は、雨に姿を変えてきらきらと降り注ぐ。光に照らされ、虹を作った。
 なんて美しいんだろう――感動しながら見ていたら、頭の中に何かが流れ込んでくる気がした。描かれているのは術式。

(……あれ?)

 どうして、わかるのだろう。
 どんな術式を脳裏に描けばいいのか、そしてそれをどんな風に活用すればいいのか。見ていただけなのにわかってしまった。
 最初は、蝶。

「……こう、かな?」

 右手をひらり。すると、テティウスの手元から水の蝶が羽ばたいた。

「え?」
「テティ、あなたどうしてっ」

 驚いたような声をあげたのは父。そして、慌ててテティウスに駆け寄ってきたのは母。

「どうしたの? どうしてそんなことができるの? ――まさか、誰かにあやつられて」
「じぶんで、した」

 自分でしたと言っても、母は信じてくれないようだ。
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