まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 疑わしい目でテティウスを見ている。両手を肩にかけ、じっとテティウスの目の奥を覗き込んできた。

「……そんなの、おかしいわ。だって、魔力の制御ができるようになるのは、普通はもう少し大きくなってからよ。どうしましょう、お医者様を呼んだ方が」
「いや、この場合は魔術師ではないか? 魔術師の塔に連絡を!」

 母はうろたえ、父は、母の言葉に同意する。
 誰か――と声をあげようとした時、不意にその場の空気が揺らいだ。

「国王陛下、王妃陛下、失礼とは存じますが、発言、よろしいでしょうか?」
「まあ、あなたは魔術芸団の……」

 かすかな風とともに、皆の前に姿を現したのは、観客に見えない位置から芸を披露していた魔術師だった。
 魔術師としてもおそらく一流なのだろう。あんな繊細な魔術の使い方ができる者はめったにいないと思う。

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