なぜか彼氏ができない
十九時。
結芽ちゃんに指定された店に行く。
居酒屋かと思っていたら、わりときちんとしたイタリアンのレストランだった。
合コンなんてやる雰囲気じゃないんだけど……?
「小林さま……ああ、スズモリ様のお連れ様ですね」
〝スズモリ〟? 誰? 合コンの相手?
不思議なことばかりだけど、きっと個室は合コンぽい雰囲気なんだろうと思って、おとなしくお店の人についていく。
……だけどやっぱりそこは普通のレストランの個室。
テーブルに、席は二人分しかセットされていない。
「あの、スズモリさんじゃなくて中村——」
席についたところで、店員さんに確認しようとした時だった。
「ごめん、お待たせ」
現れたのは、林志朗。
「え? なんで……」
今日一番会いたくない人なんだけど。
「マギに謝りに来た」
胸がズキッと痛む。
結芽ちゃんといい、林志朗といい、どうしてこうもストレートに人の心を抉ってくるのかな。
「謝るのに、バラ? 何よそれ」
彼はなぜか赤いバラの大きな花束を持っている。
林志朗は「ンンッ」とノドを整えるみたいに咳払いをすると、座っている私の前に跪いた。
「マギ。いや、小林茉伎さん」
そう言って、彼は私の目を見つめる。
何が起きているのか、さっぱりわからない。
「約束より早くなってしまって申し訳ないけど、俺と結婚してくれませんか? 今すぐに」
結芽ちゃんに指定された店に行く。
居酒屋かと思っていたら、わりときちんとしたイタリアンのレストランだった。
合コンなんてやる雰囲気じゃないんだけど……?
「小林さま……ああ、スズモリ様のお連れ様ですね」
〝スズモリ〟? 誰? 合コンの相手?
不思議なことばかりだけど、きっと個室は合コンぽい雰囲気なんだろうと思って、おとなしくお店の人についていく。
……だけどやっぱりそこは普通のレストランの個室。
テーブルに、席は二人分しかセットされていない。
「あの、スズモリさんじゃなくて中村——」
席についたところで、店員さんに確認しようとした時だった。
「ごめん、お待たせ」
現れたのは、林志朗。
「え? なんで……」
今日一番会いたくない人なんだけど。
「マギに謝りに来た」
胸がズキッと痛む。
結芽ちゃんといい、林志朗といい、どうしてこうもストレートに人の心を抉ってくるのかな。
「謝るのに、バラ? 何よそれ」
彼はなぜか赤いバラの大きな花束を持っている。
林志朗は「ンンッ」とノドを整えるみたいに咳払いをすると、座っている私の前に跪いた。
「マギ。いや、小林茉伎さん」
そう言って、彼は私の目を見つめる。
何が起きているのか、さっぱりわからない。
「約束より早くなってしまって申し訳ないけど、俺と結婚してくれませんか? 今すぐに」