婚約破棄されたら「血みどろ騎士」に求婚されました
ルディの紡ぐ文字は、王都の貴族のような装飾に富んだものではない。飾り気がなくて無作法な部分もあるけれど、まるで目の前で話しているかのような温かみを感じさせる文章だった。
だが装飾がない分、いつもすぐに彼の手紙を読み終えてしまうのは残念だ。出来ることならもうあと二文、いや三文ほど読んでいたい。まぁ、彼も王宮に滞在している間、領地の仕事ついでに騎士団の指導も頼まれているらしく、そうゆっくりと手紙を書いている暇もないのだろうが。
ああほら、もう読み終わってしまう──と目線を下へ動かしたアニスは、そこではたと目を瞬かせた。
『会いたい』
ぼ、と頬が赤らむ。
最後の最後に、どこか遠慮がちな筆跡で書かれた言葉。それは端的でありながら、どうしようもないほど胸を揺さぶるものだった。
『王都の観劇に招待されたのだが、一緒にどうだろうか』
だが装飾がない分、いつもすぐに彼の手紙を読み終えてしまうのは残念だ。出来ることならもうあと二文、いや三文ほど読んでいたい。まぁ、彼も王宮に滞在している間、領地の仕事ついでに騎士団の指導も頼まれているらしく、そうゆっくりと手紙を書いている暇もないのだろうが。
ああほら、もう読み終わってしまう──と目線を下へ動かしたアニスは、そこではたと目を瞬かせた。
『会いたい』
ぼ、と頬が赤らむ。
最後の最後に、どこか遠慮がちな筆跡で書かれた言葉。それは端的でありながら、どうしようもないほど胸を揺さぶるものだった。
『王都の観劇に招待されたのだが、一緒にどうだろうか』