婚約破棄されたら「血みどろ騎士」に求婚されました
「はぁー……我ながら実に大人げなかった」
貴賓室に辿り着くや否や、大きな溜息をついたルディに、アニスは目をぱちくりと瞬かせる。
ルディは心底参った様子で顔を覆うと、どこか決まり悪そうに後頭部を掻いた。
「二人の問題だから口出しする気はなかったんだが……いつまで経っても謝る気配がないから、待ちくたびれてしまった」
「え? で、でも馬鹿な真似をしたと」
「あれは謝罪じゃないだろう。貴女の赦しを先に引き出そうとする、卑怯な物言いだった」
確かに「すまなかった」や「申し訳ない」といった言葉は終始出てこなかったような。言われて初めて気付いたアニスが神妙な顔で相槌を打つと、彼女の様子を見たルディが苦笑する。
「……それに、貴女が真面目に王子と向き合う姿を見ていたら、居ても立ってもいられなかったんだ」
その自嘲気味な声に釣られて顔を上げてみれば、待っていたかのように背中を抱き寄せられ、触れるだけのキスを落とされた。
唇を重ねたままアニスが驚いていると、ルディは口角を上げて笑い、その薄い唇を大きく開く。わざとらしい仕草とは裏腹に、次にやって来たのは本当にアニスの唇を食べてしまいそうなほどの激しいキスだった。
早々に腰が砕けたアニスは、ルディの片腕に支えられて何とか立っているような状態で、ほとんどされるがままだった。互いの乱れた呼吸だけが聞こえる中、十分な空気を求めて顔を背けようとすれば、少しばかり乱暴な手つきで顎を引き戻される。
「ル、ルディさま」
「悪い。もう少し」
「あの、ゆ、ゆっくり、お願いします」
頬に添えられた大きな手のひらに擦り寄り、アニスが意図せず甘えるような声で告げると、こちらを据わった目で見詰めるルディの喉が上下した。
「……やめろと言われるのかと思ったんだが」
「え……やめて、しまわれるのですか?」
頭がふわふわしたまま素直に聞き返すと、一瞬の間が落ち──また唇に噛みつかれた。
その後ルディの気が済むまで口付けられたことは勿論、背中や腰をなぞるように撫でられ続けたアニスは、あっという間にくたくたになってしまった。
貴賓室に辿り着くや否や、大きな溜息をついたルディに、アニスは目をぱちくりと瞬かせる。
ルディは心底参った様子で顔を覆うと、どこか決まり悪そうに後頭部を掻いた。
「二人の問題だから口出しする気はなかったんだが……いつまで経っても謝る気配がないから、待ちくたびれてしまった」
「え? で、でも馬鹿な真似をしたと」
「あれは謝罪じゃないだろう。貴女の赦しを先に引き出そうとする、卑怯な物言いだった」
確かに「すまなかった」や「申し訳ない」といった言葉は終始出てこなかったような。言われて初めて気付いたアニスが神妙な顔で相槌を打つと、彼女の様子を見たルディが苦笑する。
「……それに、貴女が真面目に王子と向き合う姿を見ていたら、居ても立ってもいられなかったんだ」
その自嘲気味な声に釣られて顔を上げてみれば、待っていたかのように背中を抱き寄せられ、触れるだけのキスを落とされた。
唇を重ねたままアニスが驚いていると、ルディは口角を上げて笑い、その薄い唇を大きく開く。わざとらしい仕草とは裏腹に、次にやって来たのは本当にアニスの唇を食べてしまいそうなほどの激しいキスだった。
早々に腰が砕けたアニスは、ルディの片腕に支えられて何とか立っているような状態で、ほとんどされるがままだった。互いの乱れた呼吸だけが聞こえる中、十分な空気を求めて顔を背けようとすれば、少しばかり乱暴な手つきで顎を引き戻される。
「ル、ルディさま」
「悪い。もう少し」
「あの、ゆ、ゆっくり、お願いします」
頬に添えられた大きな手のひらに擦り寄り、アニスが意図せず甘えるような声で告げると、こちらを据わった目で見詰めるルディの喉が上下した。
「……やめろと言われるのかと思ったんだが」
「え……やめて、しまわれるのですか?」
頭がふわふわしたまま素直に聞き返すと、一瞬の間が落ち──また唇に噛みつかれた。
その後ルディの気が済むまで口付けられたことは勿論、背中や腰をなぞるように撫でられ続けたアニスは、あっという間にくたくたになってしまった。