婚約破棄されたら「血みどろ騎士」に求婚されました
「陛下はきっと、王子と俺にも自分たちのような良い関係を築いてほしかったんだろうな。だからこそ俺を幼い王子に引き合わせて、導き手になってくれと仰った」
しかし、国王の願いとは裏腹に、パトリックは日を経るごとにルディを避けるようになったという。
ようやく姿を見かけた日には、王子はその眼差しに明らかな嫉妬と劣等感を滲ませて、ルディを睨み付けた。
「俺を見ているうちに、自分よりもコイツの方が陛下に愛されてるんじゃないかって、勘違いしてしまったらしい。そんなわけがないんだが……まぁ、王子も子供だったから仕方のないことだ」
ルディは当時既に騎士の才能を開花させ、従騎士として着実に経験を積んでいた。この調子なら叙任も間近ではないかといった噂も、パトリックの不安を煽る要因となったのかもしれない。
何せ、パトリックは生まれながらにして王になることが決まっていたため、騎士教育を受ける機会などなかった。兄が病死したことで王位が巡ってきた父王とは、状況が違ったのだ。
ゆえに騎士の世界に生きるルディを見て、そして彼に期待の眼差しを向ける己の父親を見て、パトリックはすっかりへそを曲げてしまったそうだ。
「さすがにこれは良くないと思って、俺は一足先に領地に戻ったよ。陛下には申し訳ないが致命的に相性が悪いと……しかしあの様子だと、それぐらいじゃ改善はしなかったみたいだな」
ルディの話を聞きながら、アニスは少し腑に落ちたような気分だった。
パトリックがアニスに愛情を向けてほしいと願い、あのような騒動まで起こすに至ったのは、幼少期に覚えた疎外感や劣等感をそのまま引きずってしまったからなのだろう。
(わたくしに抱いていらした感情も、恋心というよりは……依存に近いものだったのかも)
しかし、国王の願いとは裏腹に、パトリックは日を経るごとにルディを避けるようになったという。
ようやく姿を見かけた日には、王子はその眼差しに明らかな嫉妬と劣等感を滲ませて、ルディを睨み付けた。
「俺を見ているうちに、自分よりもコイツの方が陛下に愛されてるんじゃないかって、勘違いしてしまったらしい。そんなわけがないんだが……まぁ、王子も子供だったから仕方のないことだ」
ルディは当時既に騎士の才能を開花させ、従騎士として着実に経験を積んでいた。この調子なら叙任も間近ではないかといった噂も、パトリックの不安を煽る要因となったのかもしれない。
何せ、パトリックは生まれながらにして王になることが決まっていたため、騎士教育を受ける機会などなかった。兄が病死したことで王位が巡ってきた父王とは、状況が違ったのだ。
ゆえに騎士の世界に生きるルディを見て、そして彼に期待の眼差しを向ける己の父親を見て、パトリックはすっかりへそを曲げてしまったそうだ。
「さすがにこれは良くないと思って、俺は一足先に領地に戻ったよ。陛下には申し訳ないが致命的に相性が悪いと……しかしあの様子だと、それぐらいじゃ改善はしなかったみたいだな」
ルディの話を聞きながら、アニスは少し腑に落ちたような気分だった。
パトリックがアニスに愛情を向けてほしいと願い、あのような騒動まで起こすに至ったのは、幼少期に覚えた疎外感や劣等感をそのまま引きずってしまったからなのだろう。
(わたくしに抱いていらした感情も、恋心というよりは……依存に近いものだったのかも)