恋も仕事も奪われた私ですが、お忍び社長に愛されているようです
美山さんは岡島さんの席をちらりと見た。今日は終日外出でまだ戻ってきていない。小久保さんは悲痛な面持ちになり
「岡島さんにはとても言えないことなんです。その…岡島さんの事なので」
「なるほど」
「ここでは話しにくいことなので移動してもいいですか?」
美山さんは断るだろうと思っていた。だけど――。
「わかった。場所を変えよう」
あっさりと美山さんは承諾し、どこか真剣な面持ちだ。
「ちょうど仕事も終わりましたし、食事でもしながらどうですか」
「そうだな」
美山さんが承諾するはずないと思っていた、いつも女性社員をあしらってある彼が。キーボードを打ち込んでいた手が止まる。顔を上げると小久保さんと目があった。
「吉平さん、ごめんなさいね。だけど本当に仕事のことなので、心配しないでくださいねえ」
彼女はうすらと微笑んで見せる。そのまま二人は連れ立ってオフィスの外に出て行った。
……どうして。どうしよう。美山さんが小久保さんのことを好きになってしまったら。それにどうして美山さんも断らないの?
相談を口実にして二人きりになりたいだけじゃないの?……嫌だな。嫉妬と恐怖が溢れてしまう。恋愛に振り回されたくないのに。
私は小さく頬を叩く。いつもの儀式だ。優先順位を考えろ、今はコンペの準備に集中しよう……!
「岡島さんにはとても言えないことなんです。その…岡島さんの事なので」
「なるほど」
「ここでは話しにくいことなので移動してもいいですか?」
美山さんは断るだろうと思っていた。だけど――。
「わかった。場所を変えよう」
あっさりと美山さんは承諾し、どこか真剣な面持ちだ。
「ちょうど仕事も終わりましたし、食事でもしながらどうですか」
「そうだな」
美山さんが承諾するはずないと思っていた、いつも女性社員をあしらってある彼が。キーボードを打ち込んでいた手が止まる。顔を上げると小久保さんと目があった。
「吉平さん、ごめんなさいね。だけど本当に仕事のことなので、心配しないでくださいねえ」
彼女はうすらと微笑んで見せる。そのまま二人は連れ立ってオフィスの外に出て行った。
……どうして。どうしよう。美山さんが小久保さんのことを好きになってしまったら。それにどうして美山さんも断らないの?
相談を口実にして二人きりになりたいだけじゃないの?……嫌だな。嫉妬と恐怖が溢れてしまう。恋愛に振り回されたくないのに。
私は小さく頬を叩く。いつもの儀式だ。優先順位を考えろ、今はコンペの準備に集中しよう……!