好きが故に欺いて〜罠に嵌められた私を待ち受ける甘い愛〜
司会者役の社員が、始まりの挨拶を簡単に済ませ、いよいよ第一回目の会議がはじまった。
会議室にはスクリーンが壁かけられている。
ここに映像が流れるため、みんなの視線はスクリーンに集まっていた。
「では、まず。このプロジェクトの考案者から説明してもらいます」
「はーい」
司会の社員が声をかけると、佐伯さんは意気揚々に立ち上がる。
それと同時に千歳さんが立ち上がった。
「君じゃないから」
いつにも増して凄みのある千歳さんの低い声に、一気にしんと静まり返る。
「え、何言ってるんですか? この企画の発案者は、わたし……」
「君じゃないだろ」
千歳さんは間髪入れずに高圧的な口調で答えた。
彼の気迫に圧倒されたのか、佐伯さんは口を噤む。
「まずはこちらを聞いてください」
聞く?見るじゃなくて?
いつもの会議の流れならば、目の前に設置されたスクリーンに資料が表示されるはずだ
しかし、流れてきたのは映像ではなく音声のみだった。