好きが故に欺いて〜罠に嵌められた私を待ち受ける甘い愛〜
私はというと、企画の発案者としてプロジェクトに参加することになった。
今まではずっと企画アシスタントとして、仕事をしていた。自らプロジェクトに参加するのは、はじめてのことだ。
だけど、不思議と不安はなかった。
千歳さんがチームリーダーを勤めてくれるからだ。
あれから私たちは、内密に付き合っている。
社内恋愛が禁止ではないが、同じ部署の同僚にバレるのはなんだか気恥ずかしくて、私が秘密にして欲しいと申し出た。
「俺は今すぐ言い回りたいけど」
なんて苦言を言いながらも、了承してくれた。
そのはずだったけれど。
「香坂、今日も好きだよ」
「ちょ、会社ではダメですってば」
戸惑う私を嘲笑うかのように耳元で囁く。
「仕方ないから、夜まで我慢する」
甘い言葉を恥ずかしげもなくこぼす。
少し遠回りはしたけれど、千歳さんのおかげで。
心は今日も幸せに満たされている。
ただ、あまりに甘さを隠そうとしないので、同僚にばれてしまうのは時間の問題かもしれない。
【完】


