暗闇の星屑、夜明けの太陽
「ワー、凄いね
結構、血出てる」
ちょっと高くなってる所に私を座らせて
しゃがんで私の膝を見てそう言った
金色に染まった軽くウェーブのかかった髪
ダメージのあるデニムのジャケット
「転んじゃった?」
上目遣いで私を下からのぞき込んだ
男性の耳でピアスが揺れた
助けてもらって悪いけど
チャラくて軽い感じの人
「どーしたの?
だいぶ飲んでる?」
私、酔っ払いだと思われてる?
「…飲んでません」
「え!じゃあリアルに具合悪い?
大丈夫?
救急車呼ぶ?
救急車呼んだことあるから任せて!」
スマホを出した金髪を慌てて止めた
「あ、大丈夫です!
帰ります!自分で帰れますから!」
「おねえさん、手冷た!」
金髪の手を掴んでた
「あ、スミマセン!
ホント、大丈夫なんで…」
「大丈夫じゃないじゃん
こんな夜に血出てて
寒そうだし
あのままだったら凍死してたよ」
凍死って、大袈裟か
4月だし
山じゃない
「大丈夫です
ホント、帰れますから…」
立とうとしたら足に力が入らなかった
結構痛い
どーしよ…
「家どこ?」
今度は金髪に手を掴まれた
ゴツゴツした指輪がいっぱいついてた
「近いんで…大丈夫です」
この人に個人情報は公開できない
(ちょっと信用してない)
「タクシー呼ぶ?」
タクシーで帰ったら
いくらかかるんだろう
近いって言っても2駅先
「電車で帰ります」
「この足で?
流血してるし
終電間に合う?
走ったらギリかもだけど
走れないっしょ」
「え!もぉそんな時間?」
「うん、そんな時間」
「え!」
慌ててスマホを見たら次の日になりそうだった
転んでた場所も駅から少し離れてたし
私どこに行こうとしてたんだろう
記憶にない
彼氏にフラれたのはたしか?
夢じゃない?
夢であってほしい
あ…そーだ…
「私の…私の誕生日…今日…誕生日…」
「え?なに?…誕生日?」
「うん…私の誕生日…終わっちゃう…」
「え、誕生日なの?今日?
それでどーしてあんなところで転んでんの?
ウケるんだけど…」
男性は悪気なく笑った
やっぱりいい人ではない
(決めつけ)
スマホを出して彼氏のメッセージを見た
〔オレ達〕
〔別れよう〕
やっぱり
フラれたんだ
私
最悪の誕生日
「フラれた…」
「え…?」
「彼氏にフラれた」
「マジ!?
誕生日に彼氏にフラれるって最悪だね」
知ってる
言われなくてもわかってる
「ごめん…なんか笑っちゃって…
マジでごめん!」
結構、血出てる」
ちょっと高くなってる所に私を座らせて
しゃがんで私の膝を見てそう言った
金色に染まった軽くウェーブのかかった髪
ダメージのあるデニムのジャケット
「転んじゃった?」
上目遣いで私を下からのぞき込んだ
男性の耳でピアスが揺れた
助けてもらって悪いけど
チャラくて軽い感じの人
「どーしたの?
だいぶ飲んでる?」
私、酔っ払いだと思われてる?
「…飲んでません」
「え!じゃあリアルに具合悪い?
大丈夫?
救急車呼ぶ?
救急車呼んだことあるから任せて!」
スマホを出した金髪を慌てて止めた
「あ、大丈夫です!
帰ります!自分で帰れますから!」
「おねえさん、手冷た!」
金髪の手を掴んでた
「あ、スミマセン!
ホント、大丈夫なんで…」
「大丈夫じゃないじゃん
こんな夜に血出てて
寒そうだし
あのままだったら凍死してたよ」
凍死って、大袈裟か
4月だし
山じゃない
「大丈夫です
ホント、帰れますから…」
立とうとしたら足に力が入らなかった
結構痛い
どーしよ…
「家どこ?」
今度は金髪に手を掴まれた
ゴツゴツした指輪がいっぱいついてた
「近いんで…大丈夫です」
この人に個人情報は公開できない
(ちょっと信用してない)
「タクシー呼ぶ?」
タクシーで帰ったら
いくらかかるんだろう
近いって言っても2駅先
「電車で帰ります」
「この足で?
流血してるし
終電間に合う?
走ったらギリかもだけど
走れないっしょ」
「え!もぉそんな時間?」
「うん、そんな時間」
「え!」
慌ててスマホを見たら次の日になりそうだった
転んでた場所も駅から少し離れてたし
私どこに行こうとしてたんだろう
記憶にない
彼氏にフラれたのはたしか?
夢じゃない?
夢であってほしい
あ…そーだ…
「私の…私の誕生日…今日…誕生日…」
「え?なに?…誕生日?」
「うん…私の誕生日…終わっちゃう…」
「え、誕生日なの?今日?
それでどーしてあんなところで転んでんの?
ウケるんだけど…」
男性は悪気なく笑った
やっぱりいい人ではない
(決めつけ)
スマホを出して彼氏のメッセージを見た
〔オレ達〕
〔別れよう〕
やっぱり
フラれたんだ
私
最悪の誕生日
「フラれた…」
「え…?」
「彼氏にフラれた」
「マジ!?
誕生日に彼氏にフラれるって最悪だね」
知ってる
言われなくてもわかってる
「ごめん…なんか笑っちゃって…
マジでごめん!」