しょっぱい後には甘いもの。

私もにゃんにゃんも、事が終わってそのままL字型のソファーで身体を休める。


凄い…。
よくわからないけど何か凄かった。
孝則との行為は本当にワンパターン。それどころか私の前戯すら省略されるパターンも多々あった。

あれ?
私、孝則の何が良かったの?

身体の相性があるとするならば、私と孝則は下の中だろう。ヤるときは服を着たまま下着だけを脱ぎ、終わったあとは直ぐに背中を向けられて寝られる。
しまいには私が口を使ってご奉仕するだけの時もよくあった。

あれ?
私なんか、扱い酷くない?

気付けばそれすらも無くなって、キスすらしなくなってしまった私と孝則。
それでもいいや、一緒にいられるならと暗示をかけていた。

あれ?
待って?おかしいぞ?

急に頭の中の霧がサーッとクリアになっていく。


「えー今日魚とかないわぁ。何で肉とか買ってこないの?」

「何で洗濯してないの?この服気に入ってるから直ぐ洗って直ぐに着られるようにするのが常識じゃん?」

「競馬負けたからお小遣いちょうだい。絶対あそこで6番が差せると思ったのによ。マジ無いよなぁ?」



別れを告げられて、孝則との日々が美化されていたことに気付く。

あの時見た水芭蕉の景色。

旅行費を出したのは…私だ…。




「…美穂ぉ…。」
「なに!?」

名前を呼ばれて思わず考え事のせいで力が入って返事をしてしまう。

「…ん~。美穂。こっち来て。」
「…え?」
「にゃんにゃん♪」



二回戦の催促キタコレ!!
どうなってんの!性欲!!15年前から変わってないとな!?


「さ、流石に久しぶりのせいで股関節が…。」
「足開かなきゃいいじゃん。後ろからって方法もあるよ。」



某芸人があまーーーい!!の音域で言っちゃう。
つよーーーい!!!!

一度許可した私の心のダムは、決壊したかのようにゲートを超えて流れるまま。

もうひとつ流れたのは…

実はクソ男だった孝則との思い出。


もういい
私の7年の歳月はくれてやる。



「にゃんにゃん確認してもいい?」
「何?」


「私のこと…好き?」



一度も聞いたことがない言葉。
セフレだった関係でも、あの時の私は確かににゃんにゃんの事が好きだったんだよ。

片思いと思いたくなくて、この関係を終わらせたくなくて、気持ちを我慢して過ごしてきた15歳の私。

30歳目前で聞くよ?

あの時と変わらない瞳で答えを聞くよ?



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