しょっぱい後には甘いもの。
「15年前の約束信じてた俺に向かってそれ聞く?」
「元セフレとの結婚持ちかけられて信じる方が難儀でしょうよ。」
「セフレとも思ってなかったよ。」
近づいてきたにゃんにゃんが、ズボンを履いていない私の太ももの上に顔を乗せ、下から私の顔を見つめる。
「セフレじゃん。彼女居たくせに私と会ったりしてさ。」
「別れようって言ったら死ぬからって海飛び込まれて、高三の俺はビビって従うしかなかったんだよ。今思えばただの痛い女だったけどな。」
「私、その彼女に校舎裏で人生の半分くらいの暴言言われたからね。その後に、にゃんにゃんにメールしたらアドレス違うしさ。」
「無理やりアドレス変えられたし、朝も夜も俺に張り付いてたからあの頃思い出しただけで胸糞悪い。」
パンツ姿のにゃんにゃんはゴロンと体制を変えて、私の太ももに顔を埋めている。
「だけど美穂が言ってくれた30歳になったら結婚するって言った言葉でここまで頑張ってきたんだよ。キメーしょ?」
「…キメーくはない。」
「…好きだよ。15年前から。元々高校の人脈ネットワーク使って美穂を探そうと思っていたから、あそこで泣いてる美穂を見つけて心臓飛び出るかと思ったんだ。」
二回戦の行為は、ありのままの自分をさらけ出したかもしれない。
初めて迎えた絶頂なのに、何度も何度も責められて押し寄せてくる快感の最高潮。
頭の中にいた孝則は、気付けば何処かに消え去っていた。
「絶対美穂を哀しませないし、寂しい想いはさせない。約束じゃないぞ?当たり前の事だから。結婚しよ?俺、ちゃんと稼いでくるからその代わり…。
掃除は美穂の役目でいい?」
「にゃんにゃん…。」
「美穂…。」
「にゃんにゃん…。」
「美…「多分私の方が稼いでると思う。」
「っ!??」
にゃんにゃんの自宅はタワマンのほぼ最上階、さっき見たハイブランドの腕時計を買える経済力はきっとかなり高めだろう。
だけど…。
「私、金銭感覚多分一般人より低いし物欲も全然無いの。でも私…」
年収3000万超えてるよ?
私の職種は外資系コンサルタント。孝則は私の年収を知らないが、高給取りなのは知っている。
住んでた物件はアパートとはいえ都内で駅近。普通のサラリーマンの孝則の月収ですらアパートの家賃は払えないだろう。
孝則から生活費を三万だけ貰って全ての生活費を払っていた私。
妊娠したと話していた浮気相手と、あのアパートにどうやって住み続ける気なのだろうと疑問に思っていたが、私名義で借りていたアパートだ。家賃を知らない孝則は、名義変更だけでいいだろうと軽く考えているんだろうね。
「えぇぇ。美穂より稼いでないとかカッコ悪いじゃん。ていうか俺プロポーズ地味に失敗してない?」