純愛初夜、次期当主は初恋妻を一途な独占愛で貫きたい。
提案
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婚約破棄から一ヵ月。あの日から怒涛の毎日だった。
あの後、翌日には婚約破棄は会社中に知れ渡った。なんせ、彼は社長が溺愛する社長令嬢の婚約者になったのだから当然だ。腫れもののように扱われて、居心地が悪くなった私は自主退職をした。
「はぁ……ここにすぐ来るとは思わなかったなぁ」
住んでるアパートから一時間かけてやってきたのは、私の実家のようで違う旧清澄邸だ。
大きな門に備え付けられているインターフォンを押せば『どなた様でしょうか?』と懐かしいメイド長の声が聞こえてくる。
「花暖です。旦那様はいらっしゃいますか?」
「えっ! 花暖さま!? ちょっ、お待ちくださいっ」
すぐに門が開いて中に入り屋敷まで行くとドアが開いた。