不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「……イルリア、こんな所にいたのか」
「ロダルト様……」

 エムリーとの話が終わった後、私は学園の中庭で一人空を見上げていた。
 放課後ということもあって、辺りに人はいない。残っている人は、ごく少数といった所だろう。

 そんな時に私に話しかけてきたのは、婚約者であるロダルト様だ。
 彼は、少し不安そうな顔をして私のことを見ている。

「浮かない顔をしているけど、どうかしたのかい?」
「いえ……最近は色々とありましたから」

 ロダルト様の言葉に、私は短く返答を返す。
 浮かない顔をしている自覚などはなかった。エムリーの計画が打ち砕かれて、今はむしろ嬉しいはずであるというのに、どうして私はそんな顔をしているのだろうか。
 まあ、大きな出来事が終わって、力が抜けてしまっているというだけと考えるべきなのかもしれない。燃え尽き症候群のようなものだろうか。
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