不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「……色々と噂はあるけれど、僕はそのようなものは気にしていない。ああいうのは、君のことを知らない者達が言っているだけに過ぎないことだ」

 そこでロダルト様は、私の噂について触れてきた。
 エムリーが流した噂は、ひどいものである。それによって私が傷ついていると判断したのだろう。
 それに関して、悩んでいないという訳でもないため、ロダルト様の気遣いは嬉しかった。本当の私を理解してくれる人が一人でもいるなら、とてもありがたい。

「ありがとうございます、ロダルト様。そう言っていただけると、心が少し軽くなります」
「いや、婚約者のことを気遣うのは当然のことさ。これでも僕は紳士になることを目指しているからね」
「ロダルト様は、もう充分に紳士であると思いますよ」
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