不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
 指摘された通り、ロダルト様は割と早く登校してくる方だ。
 ただ、昨日の出来事があったのだから、落ち込んで登校できていないと考えるべきだろう。
 とはいえ、話している間にもう先生が来る時間になっていた。この時間まで来ないということは、もしかしたら今日はもう登校して来ないのかもしれない。

「もしかしたら、休みということでしょうか?」
「そうかもしれませんね。おや、先生が来ましたね」

 私とマグナード様は、少し安心していた。
 ロダルト様が休みであるというなら、今日は一日穏やかに過ごせそうだ。

「ええ、皆さん、おはようございます。突然ですが、皆さんにお知らせがあります。今までこの教室で一緒に学んできたロダルト・ラプトルト子爵令息が退学しました」

 そこで私とマグナード様は、顔を見合わせることになった。
 どうやら、この教室にロダルト様が現れることは二度となくなったらしい。それはとても、驚くべき事実であった。
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