不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
 現在、私とマグナード様は挨拶を交わすくらいの仲だ。
 隣の席であるため、話はしたりするが、それ以上はない。貴族の男女である以上、あまり親密になることはできないのだ。
 しかしそれでも、彼の存在は私の心に安らぎを与えてくれた。エムリーの流した噂もあって友達がいない私にとって、マグナード様は数少ない頼れる人なのである。

「……少しいいでしょうか?」
「え?」

 そんな彼が教室から去ってから、私に話しかけてくる人がいた。
 その人は、ナルネア・オルガー侯爵令嬢。クラスメイトではあるが、ほとんど話したことがない女性だ。

「ナルネア嬢……私に、何か御用ですか?」
「ええ、少し来て欲しいのです」

 ナルネア嬢は、私に笑顔で話しかけている。
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