不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「おはようございます、イルリア嬢」
「お、おはようございます」

 意味深な感じで教室からマグナード様が去って行った日の後日、彼はいつも通りの挨拶を私にしてきた。
 その意図がよくわからなくて、私は言葉を詰まらせることになってしまった。マグナード様は、私と適切な距離を取ってくれるのではなかったのだろうか。
 いや、よく考えてみれば、別に隣の席の子が登校してきて挨拶するのはおかしくない。これは他の人にもやっていることだし、いいのだろうか。

「……」

 私は、とりあえず席に着いてから周囲を見渡す。
 そしてナルネア嬢が、こちらを見ていることに気付いた。
 彼女は、不機嫌そうな顔をしている。どうやら挨拶だけでも、駄目だったようだ。

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