【コミカライズ】断罪不可避の悪役令嬢、純愛騎士の腕の中に墜つ。

「……やはり、お前が全ての元凶だったか。何かおかしいと思ったんだ。この女を連れて行け。国外までその身を移せば、殿下たちも正気を取り戻すはずだ」

「……何を」

「ティルダ様には何の罪もない。この女が、全員に妙な術を掛けていたんだ」

「まっ……待ってよ! どうして! 私はヒロインなのに!」

 何人かの兵士に連れられ去っていく彼女。私はそれを見ているだけだったけど、何だか胸のすく想いだった。

 今まで私が何言っても何やっても無駄だったのも、全部彼女が仕掛けた事だったのね。

「ティルダ様。証拠固めや各種手続きなどでお救いするのが大変遅くなり、申し訳ありませんでした」

「ゴートン様……私を、助けてくれたんですね」

 嬉しさで自然と溢れ落ちる涙に、彼は悲しくて泣いていると誤解をしたのか、悲しそうな顔をした。

「ええ。貴女の言っていた事は、その通りでした。僕は実は現国王と神殿の巫女の元に生まれた、非嫡出子なんです。おそらく母の血が、貴女を苦しめていた何かの力を振り払いました」

 この世界では、神殿ってそういう力も秘めているんだ……ゲームの中では一切出て来ないし、私の父母も敬虔な信者とは言い難いから、それを知らないままでこれまで来てしまった。
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