エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
なんて完璧なフォロー!と、美月は心のなかでガッツポーズを作る。
(それに私の誕生日、よく覚えてたな)
美月の誕生日が十一月というのは正しい情報だった。オムライスの件といい、晴馬の記憶力のよさには感服する。
「そうか。残念じゃが、それなら仕方ないな」
善次郎も納得したようだ。晴馬は穏やかにほほ笑む。
「署名、本当にありがとう。そろそろ横浜まで送ろうか? あまり遅くなると疲れるだろう」
「そうじゃの~」
善次郎は首をコキコキと鳴らしながら言う。
「今日はたしかに疲れたの。そうだ、今夜はここに泊まらせてもらってもいいか?」
元気そうに見えても、善次郎は八十歳近い年齢だ。猛暑の日々も続いているし、あまり無理はさせられない。
「ぜひ、そうしてください。お部屋をご用意しますね」
「いやっ、それは」
にこやかに返事をした美月とは対照的に、晴馬は焦った顔だ。けれど、美月にはその理由がわからない。
「ゲストルームがあるし、問題ないでしょう?」
「だが……」
戸惑う彼に、善次郎が鋭い視線を向けた。それに気づいた美月は、コソッツと晴馬に耳打ちする。
「断るほうが不自然よ。ねっ」
そして善次郎に向き直り、あらためて笑顔を見せる。
「部屋を整える間に、お風呂をどうぞ」
「ありがとう、美月さん。いい奥さんをもらえてよかったのぉ、晴馬」
(それに私の誕生日、よく覚えてたな)
美月の誕生日が十一月というのは正しい情報だった。オムライスの件といい、晴馬の記憶力のよさには感服する。
「そうか。残念じゃが、それなら仕方ないな」
善次郎も納得したようだ。晴馬は穏やかにほほ笑む。
「署名、本当にありがとう。そろそろ横浜まで送ろうか? あまり遅くなると疲れるだろう」
「そうじゃの~」
善次郎は首をコキコキと鳴らしながら言う。
「今日はたしかに疲れたの。そうだ、今夜はここに泊まらせてもらってもいいか?」
元気そうに見えても、善次郎は八十歳近い年齢だ。猛暑の日々も続いているし、あまり無理はさせられない。
「ぜひ、そうしてください。お部屋をご用意しますね」
「いやっ、それは」
にこやかに返事をした美月とは対照的に、晴馬は焦った顔だ。けれど、美月にはその理由がわからない。
「ゲストルームがあるし、問題ないでしょう?」
「だが……」
戸惑う彼に、善次郎が鋭い視線を向けた。それに気づいた美月は、コソッツと晴馬に耳打ちする。
「断るほうが不自然よ。ねっ」
そして善次郎に向き直り、あらためて笑顔を見せる。
「部屋を整える間に、お風呂をどうぞ」
「ありがとう、美月さん。いい奥さんをもらえてよかったのぉ、晴馬」