エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
美月と晴馬が腕をふるった夕食を善次郎はとても喜んでくれた。食後、美月は三人ぶんのコーヒーを持って席に戻る。そのタイミングで晴馬が切り出した。
「そうそう。じいさんにひとつ頼みがあるんだけど……」
「なんじゃ?」
「俺たちの婚姻届の証人、じいさんにお願いしたいなと思っていて」
晴馬の隣で美月は照れたような笑みを浮かべる。それはもちろん演技で、内心では善次郎が偽装を見破るのではないかとヒヤヒヤしていた。
「おぉ、もちろん構わないぞ」
事前に用意していた、美月と晴馬のサイン済みの婚姻届に善次郎はウキウキで署名をしてくれた。
(ここまですれば、もう疑われないよね?)
ところが……。婚姻届を高く掲げて、善次郎は言う。
「よし、完璧じゃ。善は急げというし、明日の朝にでも出しに行ったらどうだ? 証人になった責任としてわしが見届けてやろう」
疑われていないのはよかったが、この発言は想定外。どう答えていいのかわからず、美月の視線は宙を泳いだ。
(提出って、そしたら偽装でなく本当に夫婦になっちゃうし……えぇ~)
パニックになりかけた美月の手に、「落ち着け」と言うように晴馬の手が重なる。
「提出する日は大切な結婚記念日になるだろう? だから、美月の誕生日に出したいと思ってるんだ。美月は十一月生まれだから、じいさんはドバイに帰ったあとだけど写真を送るよ」
「そうそう。じいさんにひとつ頼みがあるんだけど……」
「なんじゃ?」
「俺たちの婚姻届の証人、じいさんにお願いしたいなと思っていて」
晴馬の隣で美月は照れたような笑みを浮かべる。それはもちろん演技で、内心では善次郎が偽装を見破るのではないかとヒヤヒヤしていた。
「おぉ、もちろん構わないぞ」
事前に用意していた、美月と晴馬のサイン済みの婚姻届に善次郎はウキウキで署名をしてくれた。
(ここまですれば、もう疑われないよね?)
ところが……。婚姻届を高く掲げて、善次郎は言う。
「よし、完璧じゃ。善は急げというし、明日の朝にでも出しに行ったらどうだ? 証人になった責任としてわしが見届けてやろう」
疑われていないのはよかったが、この発言は想定外。どう答えていいのかわからず、美月の視線は宙を泳いだ。
(提出って、そしたら偽装でなく本当に夫婦になっちゃうし……えぇ~)
パニックになりかけた美月の手に、「落ち着け」と言うように晴馬の手が重なる。
「提出する日は大切な結婚記念日になるだろう? だから、美月の誕生日に出したいと思ってるんだ。美月は十一月生まれだから、じいさんはドバイに帰ったあとだけど写真を送るよ」