エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
裏手にある従業員通用口から出て、正面のほうに回る。美月が利用する路線はこちらのからのルートのほうが近道だからだ。
金曜の夜はホテルにとって稼ぎどき。今夜も大小様々な宴会が催されバンケットルームの予約はいっぱいだったし、レストランも盛況と聞いている。
美月が通り過ぎようとしているメインエントランス付近も、帰りがけのお客さまで混雑していた。人だかりのなかに見知った顔を発見して、美月は慌てて目をそらそうとしたが遅かった。ばっちり視線がぶつかってしまう。
(……省吾さん。今日は休みだったはずなのに、どうして?)
彼のほうも少し驚いたように目を見開いている。美月は会釈だけでその場を去ろうとしたが、彼のほうがツカツカと近づいてきた。
「おつかれさま」
あんなことがあったのに、省吾は悪びれもせず平然と話しかけてきた。
「どうも」
彼と、きちんとした別れ話はしていない。デートをドタキャンされることが続き……終わりが近いのだなと思っていたところで、由奈との結婚報告を聞いたのだ。
(今さら話すまでもなく……彼とは終わった関係よね)
だから同僚として、あいさつだけをすればいい。
「今、あがったところ?」
「えぇ」
美月はたった今決めた方針に従って、最低限の返事だけをする。
「俺のほうは、今日は客としてね。ブライダルサロンに行ってきた」
金曜の夜はホテルにとって稼ぎどき。今夜も大小様々な宴会が催されバンケットルームの予約はいっぱいだったし、レストランも盛況と聞いている。
美月が通り過ぎようとしているメインエントランス付近も、帰りがけのお客さまで混雑していた。人だかりのなかに見知った顔を発見して、美月は慌てて目をそらそうとしたが遅かった。ばっちり視線がぶつかってしまう。
(……省吾さん。今日は休みだったはずなのに、どうして?)
彼のほうも少し驚いたように目を見開いている。美月は会釈だけでその場を去ろうとしたが、彼のほうがツカツカと近づいてきた。
「おつかれさま」
あんなことがあったのに、省吾は悪びれもせず平然と話しかけてきた。
「どうも」
彼と、きちんとした別れ話はしていない。デートをドタキャンされることが続き……終わりが近いのだなと思っていたところで、由奈との結婚報告を聞いたのだ。
(今さら話すまでもなく……彼とは終わった関係よね)
だから同僚として、あいさつだけをすればいい。
「今、あがったところ?」
「えぇ」
美月はたった今決めた方針に従って、最低限の返事だけをする。
「俺のほうは、今日は客としてね。ブライダルサロンに行ってきた」