エリート消防士は揺るがぬ熱情で一途愛を貫く~3か月限定の妻なのに愛し囲われました~
「あ~、彼は……遊園地はあんまり趣味じゃなかったみたいで」
苦い記憶が蘇ってきて、美月は表情を曇らせる。
美月はこの遊園地が好きなので、省吾にも行きたいとリクエストしたことはあったのだ。けれど『子どもの行く場所だろ』と却下されてしまった。
(今思い返すと、恋人の希望を失笑するってどうなの?)
〝恋は盲目〟とはよくいったものだ。近くでは見えなかったものが、離れてみるとよくわかるようになる。
「そうか」
晴馬はそれ以上の詮索はしてこなかった。
「あっ」
ちょうどライトアップの時刻だったのだろう。目の前で虹色に輝き出した観覧車に、美月は声をあげる。
「見て、晴馬。すごいね」
「遠くからだと綺麗だけど、間近で見るとすごい派手だな」
「うん」
ふと会話が止まる。観覧車に乗るべきか、乗らないべきか……おそらく彼も同じことを考えているような気がした。
(ここまで来たからには……でもふたりきりで? いや、夫婦の練習なんだからむしろ積極的に!)
「えっと、せっかくだし」
「観覧車は……やめとくか」
勇気を出して誘ってみようとした美月の声は、彼の台詞にかき消される。
「見ろよ、すごい並んでる」
晴馬の視線の先には結構な行列ができていた。最近リニューアルしたばかりとパンフレットにも書いてあったし、人気なのだろう。
「そうだね。あれに並ぶほどでは……ないよね」
苦い記憶が蘇ってきて、美月は表情を曇らせる。
美月はこの遊園地が好きなので、省吾にも行きたいとリクエストしたことはあったのだ。けれど『子どもの行く場所だろ』と却下されてしまった。
(今思い返すと、恋人の希望を失笑するってどうなの?)
〝恋は盲目〟とはよくいったものだ。近くでは見えなかったものが、離れてみるとよくわかるようになる。
「そうか」
晴馬はそれ以上の詮索はしてこなかった。
「あっ」
ちょうどライトアップの時刻だったのだろう。目の前で虹色に輝き出した観覧車に、美月は声をあげる。
「見て、晴馬。すごいね」
「遠くからだと綺麗だけど、間近で見るとすごい派手だな」
「うん」
ふと会話が止まる。観覧車に乗るべきか、乗らないべきか……おそらく彼も同じことを考えているような気がした。
(ここまで来たからには……でもふたりきりで? いや、夫婦の練習なんだからむしろ積極的に!)
「えっと、せっかくだし」
「観覧車は……やめとくか」
勇気を出して誘ってみようとした美月の声は、彼の台詞にかき消される。
「見ろよ、すごい並んでる」
晴馬の視線の先には結構な行列ができていた。最近リニューアルしたばかりとパンフレットにも書いてあったし、人気なのだろう。
「そうだね。あれに並ぶほどでは……ないよね」