王族の婚姻に振り回された聖女ですが、幸せを見つけました
急に親近感が湧き、クレアは肩をすくめた。
「わたしが言うのもどうかと思うけど、次期国王が護衛を外に出してよかったの? もし不審者が現れたりしたら……」
「ん? ああ、平気平気。そのために護身用の剣も持ってるし。何よりここは王族に悪意のある者をはねのける結界があるから。出入り口は騎士を立たせているし、一般人はまず入れない。神殿関係者だって登録を済ませた者しか入室できないようになってる」
「ならいいけど……。あなたはこの国の王太子なんだから、もっと自分の身の安全を考えるべきだと思うわ」
「うーん。それを言うなら、俺より君のほうが存在価値が高いんだけどな……。君を狙っているのは国内貴族だけじゃない。他国だって君を、聖女を強く欲している。聖女は本当に貴重な存在なんだよ」
諭すように言われ、クレアは口を噤んだ。
聖女の価値がつり上がっているのは肌で感じていた。だけど、クレアは物ではない。誰かに望まれれば望まれるほど、珍しい稀少品として扱われているように思えるのだ。
「……所詮、聖女といっても、中身はただの人間よ」
「うん。わかってるよ。だから君は渡さない」
「わたしが言うのもどうかと思うけど、次期国王が護衛を外に出してよかったの? もし不審者が現れたりしたら……」
「ん? ああ、平気平気。そのために護身用の剣も持ってるし。何よりここは王族に悪意のある者をはねのける結界があるから。出入り口は騎士を立たせているし、一般人はまず入れない。神殿関係者だって登録を済ませた者しか入室できないようになってる」
「ならいいけど……。あなたはこの国の王太子なんだから、もっと自分の身の安全を考えるべきだと思うわ」
「うーん。それを言うなら、俺より君のほうが存在価値が高いんだけどな……。君を狙っているのは国内貴族だけじゃない。他国だって君を、聖女を強く欲している。聖女は本当に貴重な存在なんだよ」
諭すように言われ、クレアは口を噤んだ。
聖女の価値がつり上がっているのは肌で感じていた。だけど、クレアは物ではない。誰かに望まれれば望まれるほど、珍しい稀少品として扱われているように思えるのだ。
「……所詮、聖女といっても、中身はただの人間よ」
「うん。わかってるよ。だから君は渡さない」