環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました
「橋本主任~。昨日、佐伯先輩ったら全然仕事してなかったんですよー」
朝、ちょうど出社したところで、広報課中に舞衣のキンキンとした高い声が響き渡っていた。
「しかも『イケリウム』のマネージャーになりたいとか言い始めてぇ。一緒にいるこっちが恥ずかしかったんですから」
「なっ……」
全く違う話をされ、さすがの美知華も黙って聞いていられなかった。
慌ててデスクに鞄を置き、橋本主任の元へ急ぐ。
「あの、主任! その話は……」
「おお佐伯さん! ちょうどいいところに」
美知華に気付いた瞬間、主任の方が舞衣を避けてそう喋りかけてきた。
「人事の方から話が来ていてね。今日付けで『イケリウム』のマネージャーとして正式に任命されたよ」
「えっ」
「しかも副社長からも直々に激励のメールが届いていてねぇ」
どうやら副社長から気にかけてもらえているからか、橋本は鼻の穴を膨らませて美知華の方を見ていた。舞衣の言葉は少しも届いていないようだ。
「いや~、佐伯さんは広報としてもやり手だが、マネージャー職にも向いているんじゃないかと前から思っていたんだよ」
「ははは……」
「ウチの副社長はやり手と噂だし、社長の息子らしいからな。目をかけてもらったからには、しっかり仕事をこなすんだぞ」
美知華への応援のようでありながら、橋本の頭の中にあるのは、その上司である自分への保身と、あわよくば出世へと繋がればという考えだろう。
そんな橋本に、無視されている舞衣は食って掛かる。
「もう、主任ったら! 舞衣の話ちゃんと聞いてくださいよ!」
「あ~……そういや近藤さん。『イケリウム』の方から、仕事中にも関わらず個人の連絡先を交換するようしつこくて困ったってクレームが入っていたんだけどねぇ、本当?」
「うっ……それは、えっと……」
橋本に詰められ、舞衣は顔を青くして口を閉じる。
その隙に美知華は、自分のデスクへと戻ることにした。
「……あ」
デスクの上に置いておいたスマホの画面には通知が表示されていた。
確認するとアクアからで、思わずドキリと心臓が高鳴った。
朝、ちょうど出社したところで、広報課中に舞衣のキンキンとした高い声が響き渡っていた。
「しかも『イケリウム』のマネージャーになりたいとか言い始めてぇ。一緒にいるこっちが恥ずかしかったんですから」
「なっ……」
全く違う話をされ、さすがの美知華も黙って聞いていられなかった。
慌ててデスクに鞄を置き、橋本主任の元へ急ぐ。
「あの、主任! その話は……」
「おお佐伯さん! ちょうどいいところに」
美知華に気付いた瞬間、主任の方が舞衣を避けてそう喋りかけてきた。
「人事の方から話が来ていてね。今日付けで『イケリウム』のマネージャーとして正式に任命されたよ」
「えっ」
「しかも副社長からも直々に激励のメールが届いていてねぇ」
どうやら副社長から気にかけてもらえているからか、橋本は鼻の穴を膨らませて美知華の方を見ていた。舞衣の言葉は少しも届いていないようだ。
「いや~、佐伯さんは広報としてもやり手だが、マネージャー職にも向いているんじゃないかと前から思っていたんだよ」
「ははは……」
「ウチの副社長はやり手と噂だし、社長の息子らしいからな。目をかけてもらったからには、しっかり仕事をこなすんだぞ」
美知華への応援のようでありながら、橋本の頭の中にあるのは、その上司である自分への保身と、あわよくば出世へと繋がればという考えだろう。
そんな橋本に、無視されている舞衣は食って掛かる。
「もう、主任ったら! 舞衣の話ちゃんと聞いてくださいよ!」
「あ~……そういや近藤さん。『イケリウム』の方から、仕事中にも関わらず個人の連絡先を交換するようしつこくて困ったってクレームが入っていたんだけどねぇ、本当?」
「うっ……それは、えっと……」
橋本に詰められ、舞衣は顔を青くして口を閉じる。
その隙に美知華は、自分のデスクへと戻ることにした。
「……あ」
デスクの上に置いておいたスマホの画面には通知が表示されていた。
確認するとアクアからで、思わずドキリと心臓が高鳴った。