環境が最悪なので推し活してたら推しから溺愛されることになりました

「あはは。私は副社長のアクアくんより、『イケリウム』のアクアくんが好きだよ」
「……!」
「さっきも、助けてくれてありがとう、アクアくん」
 少しだけ背伸びをし、アクアの頬にキスをする。
 途端にアクアは、いつもの余裕を持った表情から、照れた表情へと移った。
「み、美知華さん……。あーもう、好き! 大好きだ美知華さん!」
「わっ」
 アクアから勢いよく抱き締められ、美知華は嬉しさと驚きで声を上げた。
 そのまま見つめ合った二人は、そっと唇を重ねる。
「これからも恋人として、マネージャーとして……ずっと俺の傍にいてね」
「うん。もちろんだよ」
「よし。美知華さんパワーで、今日の撮影も頑張ろーっと!」
 そうして二人は、撮影現場へと歩いていく。
 直前までしっかりと手を繋ぎながら。


   ◆◇◆


『こんばんはー『イケリウム』でーす』
『ニクス、テンション低すぎ』
『いやだって今日気圧やばかったし……』
『じゃあ俺が代わりに! こんばんはー『イケリウム』でーすっ!』
『アクアは元気ありすぎ。最近絶好調だよな』
『まあね~!』
 今日も画面の向こうで『イケリウム』は楽しそうに配信をしている。
 イグニスは見た目に反して冷静なツッコミを入れていき、ニクスはどこまでもマイペース……そしてアクアは、あのバンクルを付けて絶好調で喋っている。
 彼らは配信以外のスケジュールでほぼ埋まっているというのに、それでもこうして元気な姿をリスナーに届けている。
「やっぱりプロだよなぁ……」
 アクアに向けた言葉を美知華は口にする。
< 34 / 35 >

この作品をシェア

pagetop