強引な御曹司社長は色気のない女刑事にご執心!
思わずじっと彼を見てしまう。
端正な横顔だった。眉はきりっとしていて鼻が高く、頬の輪郭はシャープだ。鼻から口元にかけてのEラインもすっきり整っている。
彼が微笑して振り向いた。
「俺の顔になにか?」
「なんでもないです」
言って、うつむく。
店を出て車の前に行くと、彼はドアを開けて咲弥を乗せてくれた。
女性扱いに慣れていないから、咲弥はただドキドキした。
きっと、いつもこうやって女を口説くのね。
咲弥は冷静になろうと思考を巡らす。
だが、手を差し伸べて微笑する彼がなんども頭に浮かび、顔が熱くなる一方だった。
レセプション会場に着くとまだ開場前で、係員が準備に駆けまわっていた。
県警本部からも何人かの警護が出ていて、咲弥は緊張しながら挨拶した。
衣裳を怒られたらどうしようかと思っていたが、悠雅が隣にいるせいか、咎められなかった。むしろ、今日は頼むぞ、と肩を叩かれた。
悠雅が最終確認のためにホテルの支配人と話をするのを、なんとなく横で聞いていた。
事前に爆発物のチェックが行われ、従業員のボディチェックも行われたという。
「あれ? もしかして、お嬢?」
懐かしい声がした。
そちらを見ると、懐かしい人が笑顔で立っていた。
「泰輔さん!?」
咲弥は驚いた。
「見違えたよ、すごくキレイだ」
泰輔が優しく微笑する。
「そ、そんなこと」
咲弥は照れてうつむいた。
「知り合いか?」
「昔の知り合い」
悠雅の問いに、泰輔が答える。
彼女より四歳上の来富泰輔は、今は解散した来富組の組長の息子だ。
解散直前、組長が刑事だった咲弥の父になんどか相談に来ていた。そのときに彼も連れられてきていたので、咲弥は彼を知っていた。
彼はまだ小さい咲弥をお嬢と呼び、大人たちが難しい話をしている間、一緒に遊んでくれた。
咲弥が警察官を目指すと知ったとき、彼は消えた。会うのは久しぶりだった。
端正な横顔だった。眉はきりっとしていて鼻が高く、頬の輪郭はシャープだ。鼻から口元にかけてのEラインもすっきり整っている。
彼が微笑して振り向いた。
「俺の顔になにか?」
「なんでもないです」
言って、うつむく。
店を出て車の前に行くと、彼はドアを開けて咲弥を乗せてくれた。
女性扱いに慣れていないから、咲弥はただドキドキした。
きっと、いつもこうやって女を口説くのね。
咲弥は冷静になろうと思考を巡らす。
だが、手を差し伸べて微笑する彼がなんども頭に浮かび、顔が熱くなる一方だった。
レセプション会場に着くとまだ開場前で、係員が準備に駆けまわっていた。
県警本部からも何人かの警護が出ていて、咲弥は緊張しながら挨拶した。
衣裳を怒られたらどうしようかと思っていたが、悠雅が隣にいるせいか、咎められなかった。むしろ、今日は頼むぞ、と肩を叩かれた。
悠雅が最終確認のためにホテルの支配人と話をするのを、なんとなく横で聞いていた。
事前に爆発物のチェックが行われ、従業員のボディチェックも行われたという。
「あれ? もしかして、お嬢?」
懐かしい声がした。
そちらを見ると、懐かしい人が笑顔で立っていた。
「泰輔さん!?」
咲弥は驚いた。
「見違えたよ、すごくキレイだ」
泰輔が優しく微笑する。
「そ、そんなこと」
咲弥は照れてうつむいた。
「知り合いか?」
「昔の知り合い」
悠雅の問いに、泰輔が答える。
彼女より四歳上の来富泰輔は、今は解散した来富組の組長の息子だ。
解散直前、組長が刑事だった咲弥の父になんどか相談に来ていた。そのときに彼も連れられてきていたので、咲弥は彼を知っていた。
彼はまだ小さい咲弥をお嬢と呼び、大人たちが難しい話をしている間、一緒に遊んでくれた。
咲弥が警察官を目指すと知ったとき、彼は消えた。会うのは久しぶりだった。