強引な御曹司社長は色気のない女刑事にご執心!
「それはいい!」
「先に俺が楽しみたいくらいだ」
「彼女は警察でもなんでもないわ。解放しなさい。私だけで充分でしょ」
 咲弥が言うと、キングは薄く笑った。

「さっき警察だってわめいていたけどな」
 言って、彼は仲間に顔を向ける。
「逃げられないように両足を折れ」
 キングが命じる。
 男たちが近付いてくる。

 咲弥は潤香をかばうように体を前に出した。
 男の一人が車から持ち出した鉄パイプを振り上げたときだった。

 突如、まぶしい光が当たりを照らした。
 車のヘッドライトだった。ハイスピードで迫り、タイヤを鳴らして彼らの近くで止まる。
 仲間か。
 咲弥はぎりっと歯を噛み締める。

「サツか!?」
 男たちは警戒をあらわに車を見る。

 車の運転席と助手席から、二人の男が現れた。
 咲弥は目を細めて確かめようとした。
 車のライトが逆光になって、あまりよく見えない。
 だが、あの背の高い二人は。もしかして。

「取引に来た」
 声は悠雅のものだった。

「お前たちはしょせん、金が欲しいんだろう? 金をやるから、彼女らをおいて出ていけ。もうこの街に来るな。その代わり、一億やる」
「一億!?」
 男たちにざわめきが走った。

「なに言ってるの、ダメよ!」
「黙ってろ!」
 キングは咲弥を蹴飛ばした。

「なんで俺たちがここにいるってわかったんだ」
「警備会社から通報が来たからな。すぐ決めてくれ。まもなく警察も来るだろう」
 悠雅はサングラスをかけているようだった。
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