強引な御曹司社長は色気のない女刑事にご執心!
 この暗闇の中、発砲するとは。仲間の命すらどうでもいいということか。
「なめやがって」
 わめくキングに、悠雅は素早く足払いをかけた。

 キングはバランスを崩し、倒れる。
 その隙に泰輔が拳銃を奪った。

「よくもお嬢を。ちょっと痛い目を見ておこうか」
 せせら笑うように言い、泰輔は引き金を引いた。
 轟音が響いて、銃弾はキングの足を貫通した。

「うああ! いてえ!」
「動くともっと痛い目を見るよ」
「お前ら! くそ!」
 起き上がろうとするキングの右肩に、泰輔はまた発砲した。
 キングはうめいて倒れた。

「君ら、命が大切なら動くなよ」
 泰輔が言う。
「ふざけんな!」
 目が慣れて来たらしい男が泰輔にとびかかるが、泰輔はひょいとよけて銃底で男を殴る。

 その間に、悠雅はもう一人の首を軽く締め、落とした。
「そんな……」
 最後の一人は怖れおののき、逃げ出そうとした。
 が、その足元に泰輔が銃弾を見舞う。

「逃げると撃ち殺すぞ」
 男はへなへなと座りこんだ。

***

 再び車のライトが灯されたとき、眩しさに咲弥は目を細めた。
 暗闇が支配している間に、なにかが行われた。それはわかるが、なにが起きたのかわからなかった。

 ライトに照らされた現在、四人が床に転がり、一人が血を流して、一人がおもらしをして座り込んでいる。

「大丈夫か」
 悠雅が駆け寄り、縄をほどいてくれた。
< 34 / 43 >

この作品をシェア

pagetop