強引な御曹司社長は色気のない女刑事にご執心!
仕事にキリをつけて署の外に出ると、白いスポーツタイプの外車が止まっていた。
エンブレムから、ラストンマーティンだと気が付いた。英国の高級車だ。
車から降りたのは悠雅だった。
「待ってたよ、咲弥さん」
「はあ?」
咲弥はうさんくさそうに悠雅を見た。
「初間さんから、今日なら仕事にキリがついたはずだと聞いた」
「いつのまに連絡とりあう仲に」
「社長はコミュ力も必要だからな」
悠雅は苦笑する。
「ちょっとドライブにつきあってくれ」
「嫌です」
「……泰輔のことで話がある」
言われて、はっとした。彼になにがあったのだろう。
「ここで話してください」
「そんな軽い話じゃない」
咲弥は悠雅を見た。
暗がりにもわかる彼の真剣な目に、咲弥はごくりと唾をのんだ。
「わかりました」
咲弥は彼の車の助手席に乗った。
悠雅はエンジンを響かせ、車を発進させた。
「食事もまだだろう? サンドイッチとコーヒーを買って来た。後ろに置いてあるから」
「いりません」
「友達からの差し入れもダメなのかな?」
答えるように、咲弥のお腹が鳴った。咲弥は顔を赤くしてお腹をおさえる。
悠雅はクッと笑った。
「泰輔からの差し入れだったら君は素直に受け取ったのか?」
「泰輔さんは……兄みたいな存在だったから」
咲弥は答える。
「サンドイッチ、いただきます」
咲弥は後部座席からサンドイッチを手に取った。
それから、顔を見られないように窓の方を向いた。
「この前は助けに来てくれてありがとう」