言葉足らず。
 あのあとも、結局2時間に1回程度のペースでかかってき続けていた電話。夜になって、少しだけその頻度は落ちたけれど。
 ついさっきロッカールームで着替えている間も、変わらず10コールで切れる非通知設定の電話がかかってきた。そして私は、やっぱりそれを無視した。

「いらっしゃいませー。」

 病院から歩いて5分もかからない、全国チェーンのコンビニの1軒。通勤途中にある利便性から、仕事の日はほぼ毎日利用している。主に、食事を調達するため。
 とにかく早く帰って寝たい私にとって、「食費が、」とか、あまり細かく気にしている場合ではなかった。

 いつもと同じコンビニ。いつもと同じくらいの時間。いつもと同じお弁当コーナーで、私はいつもと同じようなパスタサラダを手に取る。偏りがちな食生活への、些細な抵抗というか、なんというか。

「今日もお疲れさま。」
「ありがとうございます。」
< 11 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop