親愛なる魔王の君へ＃2～召喚されたので、魔王の側近になります！～

ルーチェさんの問いかけに、ギルバートさんは「大丈夫だ」と頷く。

ルーチェさんが窓を開けると、アレンさんと呼ばれた男性は「ルーチェさん、お久しぶりです」と微笑んだ。

「アレンさん、お久しぶりです。どうして、アレンさんはここにいるんですか？」

「そもそも、こんな森の中に家があるなんて……誰も知らないと思うんだが……」

「……ルーチェさんと召喚者の様子を見に来ただけですよ」

笑みを崩さないまま、アレンさんはそう言う。

「どういうこと……？」

「……詳しく説明をします。入っても大丈夫ですか？」

ギルバートさんが「いいぞ」と返すと、アレンさんは「失礼します」と言って、窓から入ってきた。そして、アレンさんは窓を閉める。

「先に、自己紹介を。俺は、アレン・ウィリアムズ。神様の言葉を伝える者です。神様の使い……そう言えば、分かりやすいでしょうか」

丁寧な仕草で、アレンさんは自己紹介をした。

「驚くのも無理はないですよね。正直、俺もめちゃくちゃ驚きましたし……今回、俺がここに来たのは、皆さんに神様からの伝言があるからです」

そう言って、アレンさんは僕をじっと見る。そして、アレンさんは口を開いた。

「異世界召喚者である朝川雨琉に、ラウル・リヴィエールという名を与える。今日から異世界で暮らし、使命を全うせよ」