親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~
「そういや、ルーチェもそうだったよね」

「そうだね。あの時は、びっくりしたなぁ」

ティムの言葉に、ルーチェは笑った。

「……あの時?」

僕が首を傾げると、ルーチェは「実はね」と話し始める。

八咫烏と、今はいない、もう1つの呪具の化身から課せられた試練に合格して目が覚めたら、髪が伸びていたらしい。

「……そうだったんだ……」

「とりあえず、クラル様のもとに行こっか……クラル様から頼まれたんでしょ?僕を起こして欲しいって」

ルーチェの言葉に、ティムは「そうだよ」と頷いた。

「……またクラル様に怒られそうだな」

そう言ってからグッと体を伸ばしたルーチェは、椅子から立ち上がる。

「怒られるのが嫌なら、ちゃんとベッドで寝たらいいのに……」

ルーチェの呟きを聞いて、ティムがツッコミを入れた。それを聞いたアーサーは、無言で頷く。

「……いやぁ、研究が楽しくって……」

ジトッとした目でルーチェを見るティムから、ルーチェは目線を逸らした。

「……クラルさんに告げ口しとくから、後で怒られな」

ティムは、そう言ってくるりと向きを変えると歩き出す。

その後を、僕は追うようにして歩いた。皆が集まっているという部屋に向かう。

部屋に着いて部屋の中に入ると、皆の視線が僕らに集まった。

部屋にいるのは、クラルさん、クロードさん、ノアさん、レオンさん、ギルバートさんの5人。
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