親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~
僕がそう言うと、ギルバートさんは何も言わなくなった。

僕は、ギルバートさんに助けられた。ギルバートさんは、僕の命の恩人だ。

だから、僕はギルバートさんについて行こうって思った。

「……僕は、ギルバートさんに恩返しをしたい。ギルバートさんとともに戦いたい。だから、僕をギルバートさんの側近にしてください」

僕が本心をぶつけると、ギルバートさんは僕から顔を逸らす。それから、また僕と目を合わせた。

「面と向かって言われると、恥ずかしいものだな。分かった……ラウルを、今日から僕の側近とする」

「……はい。よろしくお願いします。ギルバートさん」

僕がそう言うと、ギルバートさんは「今日からその呼び方禁止な」と言う。

「……じゃあ、なんて呼んだらいいの?」

僕が問いかけると、ギルバートさんは「そうだな……」と考え始めた。

「小さい頃、周りからバートと呼ばれていた。それでどうだ?」

……僕はギルバートって呼ばないと駄目かなって思っていたけど、さん付けで慣れてしまった僕でも何とか呼べそうだ。

「僕は構わないよ。癖でギルバートさんって呼びそうだけど。まぁ、ギルバートさんって呼んでいたら教えてよ」
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