君のスガタ
 俺は地面についた足が震えていたと思う。

 走って疲れたんじゃなくて、柚と向き合うのが少し怖かった。

 それでも、言葉にしないといけない。

「俺は昔元カノに言われたことがある。好きって言う言葉が本当じゃないみたいって。好きが重いって。だから、もう好きを言うのをやめたんだ。けれど、柚だけは違かかった。友達から聞いたと思うけど、親友だった人を中学時代、殴ったのは事実だ」

 俺は自分のことを話す。

 それに答えて、柚は聞いてくれた。

「…それで?」

 柚は聞いてきたので、話を続けた。

「殴ったのは俺のことを言ってきたからなんだ」

 中学時代の松永慶は周りから完璧としか言われずに悩んでいた。

 小学校からつるんでる一番仲のいい友人で唯一親友と呼ぶ仲だ。

 親友でさえも、俺のことを短所がなくて、嫌みくさい、なんでこいつだけ有利なの、慶ばかりでずるいなどと言うけど、結局は俺のことを一番理解してくれていると思っていた。

 その日までは……

 ある日、親友といつものように帰っていた。

「慶さ、彼女できたんだって」

「え、うん。そうだけど」

「好きだったのか、前から?」

「そうだね」
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