君のスガタ
「いや…だってさ、今回はちょっと違うじゃん」

 めぐみは上目遣いをして、なにかを探るかのように再度聞いてくる。

「ああ、めぐみ。堺くんと回るんだよね。いいよ、私気にしないから」

 私はめぐみの方を向いて、大丈夫、大丈夫、気にしないでと右手で左右に振る。

 めぐみは怪訝そうに眉をひそめた。

「そう! 堺くんと回ることになったのよ!私から誘おうとしたんだけど。なんと、堺くんが私のこと誘ってくれたのよ!」

 興奮気味にめぐみは私の肩をバンバンと叩いてくる。

「よかったじゃん」

 私は笑顔を見せて、答える。

「そうなの! じゃなくて、柚のことだよ。柚は松永先輩に誘われてないの?」

 めぐみは食い気味に言う。

「誘われてないよ」

 私は即答した。本当に誰も誘われてないし。  

 めぐみと回ろうかと思ったんだけど、堺くんと回るなら、一人でも回ろう。

「大丈夫だよ。一人で回るから」

「…いや…でも…」

 めぐみは渋っていると、その時、堺くんの声がした。

「めぐみちゃん!」

 堺くんは子犬のように手を振って呼んでいた。

「ほら、堺くん。呼んでるよ。行きな」

 私はすかさず、めぐみに伝える。
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