君のスガタ
 私は顔を上げると、そこには松永先輩がいた。

「松永先輩」

 私は彼を呼ぶと、何も言わずに私を見てきた。

「……一人なのか」

「そうですけど…というかなんでここにいるんですか?」

 なぜここに松永先輩がいるのか。

斗真先輩や友達と回るんじゃないのかな。

ってか、私が何かに困っている時に現れるセンサーがついているのではないかと思い悩む。

だが、松永先輩の全身を見て、どこもセンサーなんてついていない。

そりゃ、あるわけないよね。

 松永先輩はどこかを見つめて、口を開く。

「……っ、天海祭は誰かと回るのか?」

 松永先輩は私の目を捕えたかのようにまばたきすらしてもらえない。

 食い気味でグイグイ聞いてくる訳でもないのに、断る選択肢などなくしてしまう。

「……っ回る相手なんていませんけど」

 私はその瞳に惑わせる。

 素直に答えたような振りをして、心とは裏腹に長い期間、冷凍庫に眠っている食材の目
線から冷え切った態度で伝える。

 松永先輩はにんやりと笑って言う。

「じゃあ、劇まで時間あるだろ?」

 松永先輩は私の態度なんて気にせずに、優しく口角を上げていた。

「ありますけど……」
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