浮気されて振られたが、ハーフイケメン外科医に溺愛されています。
 まさか転職を勧められるとは思ってもみなかった。どうして?

『実はさ、もうすぐ医局の事務をやっていた人が辞める事になってて。その代わりの人がまだ見つかって居なくて。もし良かったら僕が推薦しておくから、やってみる気はない?』

 同じ条件の仕事が大学病院に!?
 それは、ありがたい言葉でもあった。あ、でも……今の引継ぎの事もあるが、それでいいのだろうか?
 今回の件で居づらくはなったが、本来ならやりがいのある職場でもあった。
 由美香や和田先生みたいに気遣ってくれる人も居たし、気難しい医師も居るが、お礼も言ってくれる。

『無理とは言わないけど、今の状態だと緋色ちゃんもやりづらいとは思うんだ。元彼と一緒だったり、意地の悪い不倫の子が居て。でもさ、大学病院なら母親の実家とも近いから条件だけだといいと思うし。時給も総合病院よりも高いよ?』

 確かに……。
 幸隆叔父さんの言葉を聞いて納得する部分もあった。母の今後を考えると、一緒に暮らした方がいいだろう。
 今の職場に就職したのは、面接を色々した結果、たまたまそこに内定を貰えたからだった。実家から少し遠かったので近くにアパートを借りただけ。
 非職員なだけに時給が少しでも高いとこちらも助かる。それに……。
 あの2人の顔を見るのは辛い。謝らせる気満々だったし、これからもそれを盾に得意げに言ってくるかもしれない。
 負けず嫌いな自分の性格を考えると、また言い返すかもしれないだろう。

「……あの……お願いしてもいいですか? その推薦」

『うん。緋色ちゃんは、ずっと同じ職場で働いていた経験もあるし、真面目な性格だから採用されると思うよ。僕からも強く言っておくね』
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