浮気されて振られたが、ハーフイケメン外科医に溺愛されています。
 えっ? 滝川先生と!?
 思わない幸隆叔父さんの言葉に緋色は動揺する。いくら何でも挨拶しただけで、どうしてそうなるのだろうか?
 そもそも、こんな美形の方が平凡な自分とお似合いな訳がないだろう。

「変な冗談はやめて下さいよ。幸隆叔父さんったら」

「そうかい? 僕はお似合いだと思うけどな? 真面目で雰囲気とか似ているし」

「また~そんな事を言って。変な誤解とかされたらどうするんですか?」

 しかも本人の目の前で。この前まで賢一郎に浮気をされて別れたばかりの惨めな女なのに。
 恥ずかしそうに思いながらもチラッと滝川先生を見るとニコッと微笑まれる。

「それは嬉しいな。雰囲気とか良く分からないけど、素敵な女性とお似合いだと言われるのは悪い気はしませんね」

「えっ……えぇっ!?」

 素敵な女性と言われたのは生まれて初めだ。しかも、こんなイケメンに。
 頬を赤く染める緋色を見て、幸隆叔父さんは、またフフッと笑われてしまった。
 からかわれたのかもしれない。だが心臓の鼓動は、さらに速くなっていくのだった。

 その後は何もなく終わったが、その日から滝川先生は緋色に明るく声をかけてくれるようになった。
 挨拶だけではなく、分からない事や戸惑うと声をかけてくれて教えてくれるので助かる。特に他の医師の情報などはスケジュール調整の役に立った。

「ここの日高先生の夜勤なんだけど、丸井先生と交代して欲しいと言っていたよ。なんか、その日は急に用事が出来たみたい」

「そうなんですか? じゃあ、後で2人に確認してみます。丸井先生にも承諾を貰わないといけないので」
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