別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
「初めて会った時、可南子ともRHHに内定が決まったって話になって、その時可南子は『一番いい場所で空が見えるなんて素敵だね』って言ってくれただろ?」
それは私も覚えている。まさか綾人から声をかけられるとは思わず、ドキドキしていた。
『一番いい場所で空が見えるなんて……素敵だね』
彼がパイロットになると聞いて、とっさにそんな風にしか返せなかったのを、あの時は少し後悔したのに。
「あの時周りから『すごい』って言葉をたくさんもらったよ。でもだいたい評価されるのは、パイロットの年収や世間的なイメージとか地位とかそんなのばかりが多かった。でも可南子の言葉で思い出したんだ。あの操縦席から見える景色に心を奪われて、パイロットになりたいって思ったのが最初なんだって」
『そう。一番の特等席だと思ってる』
綾人がにこやかに返してくれたのを思い出す。
「それで可南子が気になって、もっと話したかったら前橋さんを送ろうとしている可南子に付き添うって申し出たんだ」
それは聞いたけれど、今になって知る事実に驚きが隠せない。付き合っている時にも聞いたことがなかった。
「ありがとう。自覚なかったけれど、私の言葉が少しでも綾人の力になっていたのなら嬉しいよ」
このタイミングでも、知れてよかった。そう思って笑ったのに、綾人の表情はどこか切なそうだ。
「付き合っている時に、きちんと伝えておけばよかったな」
そう言うと、彼の手がそっと頬に滑らされる。
それは私も覚えている。まさか綾人から声をかけられるとは思わず、ドキドキしていた。
『一番いい場所で空が見えるなんて……素敵だね』
彼がパイロットになると聞いて、とっさにそんな風にしか返せなかったのを、あの時は少し後悔したのに。
「あの時周りから『すごい』って言葉をたくさんもらったよ。でもだいたい評価されるのは、パイロットの年収や世間的なイメージとか地位とかそんなのばかりが多かった。でも可南子の言葉で思い出したんだ。あの操縦席から見える景色に心を奪われて、パイロットになりたいって思ったのが最初なんだって」
『そう。一番の特等席だと思ってる』
綾人がにこやかに返してくれたのを思い出す。
「それで可南子が気になって、もっと話したかったら前橋さんを送ろうとしている可南子に付き添うって申し出たんだ」
それは聞いたけれど、今になって知る事実に驚きが隠せない。付き合っている時にも聞いたことがなかった。
「ありがとう。自覚なかったけれど、私の言葉が少しでも綾人の力になっていたのなら嬉しいよ」
このタイミングでも、知れてよかった。そう思って笑ったのに、綾人の表情はどこか切なそうだ。
「付き合っている時に、きちんと伝えておけばよかったな」
そう言うと、彼の手がそっと頬に滑らされる。