別れてママになったのに、一途な凄腕パイロットは永久溺愛で離してくれません
 多恵さんが年上の男性と親しげに腕を組んで、ホテルのようなところに入るものだった。相手はひとりではなく複数で、似た構図ではあるが写真によって相手が違う。

 しかもよく見ると、少し前のものからおそらく最近のものまであった。

「なにこれ! やめて! 写真は一枚だけって……」

 多恵さんは慌ててテーブルの上の写真をかき集めた。彼女の父親は写真を持ったまま固まっている。

「彼女は僕と付き合う前から、複数の男性と関係があったみたいです。しかもあなたと同年代の地位のある男性とばかり。今も続いている相手もいるようですが」

「綾人!」

 綾人の言葉を止めるように多恵さんは叫んだ。彼女はすごい形相で綾人を睨んでいる。

「言ったでしょ。私が好きなのはあなただけよ。あなたがいつまでも私に振り向いてくれないから。あなたのせいで、私は……」

 めちゃくちゃな理論だ。けれど多恵さんは必死に訴えかけてくる。ごまかすためなのか本気なのか区別ができない。

 当時、別れを切り出してもこうやって言い訳を繰り返してなかなか了承しない彼女に、この写真のうち一枚を渡し、口外しない約束で別れたらしい。

「私は悪くない。誰にも言わないって……。話が違うじゃない!」

 責め立てる多恵さんを一瞥し、話にならないと思ったのか綾人は多恵さんの父親に声をかける。
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