エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
「あの、朔夜さん……!? どうして……」


 慌てて名前を呼んだ私を、朔夜さんが優しい眼差しで見返してきた。


「誕生日プレゼント。……結局今年の誕生日会は出来なかったし、今さらだけど贈らせて欲しいんだ」
「あ……」


 彼の言葉に、目を見開く。

 朔夜さんと私は、同じ八月生まれだ。彼が三十一日で、私が二十三日。
 だから毎年この月は、合同の誕生日会をするのが恒例行事になっていた。メンバーはもちろん、兄と朔夜さん、私の三人だ。

 けれども今年はなかなか朔夜さんの都合がつかず、誕生日会の予定は九月にずれ込んで──けれど約束のその日を迎える前に、兄は帰らぬ人となってしまった。

 きゅう、と胸の奥が痛んで、私は首を横に振る。


「そんな……気にしなくても、いいのに」
「そう言うと思った。けど、贈りたいんだから仕方ない。俺を助けると思って、受け取ってくれ」
「う……」


 そんな言い方をされては、これ以上は断りずらい。

 長身を軽く屈めた彼に顔を覗き込みながら乞われて、私はしぶしぶうなずいた。頬が熱い。


「……わかりました。ありがたく、いただきます」
「いや。こちらこそありがとう」
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