エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
 今日の昼間の外出で、朔夜さんが私にくれた誕生日プレゼント。

 こんな素敵なワンピースに自分は分不相応だと思うのに、胸が高鳴るのは止められない。

 実は私も、朔夜さんへの誕生日プレゼントは以前から用意していた。

 ずっと渡しそびれていたそれを自宅での夕食の後におずおずと差し出したら、彼は驚いた表情をしてからうれしそうに笑ってくれた。

 私がプレゼントしたのはキーケース。
 本革のいいものではあるけれど朔夜さんが私にくれたワンピースと比べれば見劣りするだろうに、それでも彼はとてもよろこんだ様子でお礼を言ってくれた。

 その笑顔にも、また私はきゅうっと胸がときめいて。そんな気持ちを悟られないよう、必死で平静を取り繕ったのだった。

 ひとしきりワンピースを眺めた私はクローゼットを閉じると、ベッドへと潜り込む。

 ベッドボードに置いていたリモコンを操作して、電気を消した。
 そのまままぶたを下ろし、静かに呼吸を繰り返して眠気が訪れるのを待つ。

 けれど。


「……はぁ」


 おそらく一時間は経っただろうか。
 私は諦めたように深いため息を吐きながら、そっと目を開けた。
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