エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
「…………」


 常夜灯のみが灯された薄暗い自室の、ベッドの上。
 もう何度目になるかわからない寝返りを打った私は、その後すぐに観念して上半身を起こした。

 ……やっぱり、眠れない。

 暗い気持ちで、ベッドから足を下ろす。
 ひとりきりのベッドが──朔夜さんが隣にいないことが、こんなにも不安だなんて。
 片手でギュッと胸もとを掴み、深く息を吐き出す。

 ……気分転換に、なにか飲もうかな。

 ぼんやり考えて、私は立ち上がった。

 すでに0時は回っていたけれど、どうやら朔夜さんはまだ帰宅していないらしい。

 もともとリビングは、この後帰ってくる彼のため明かりを点けっぱなしにしていた。
 ウォーターサーバーから注いだだけのお湯が入ったマグカップを両手で持ち、ソファへと腰を下ろす。

 最初に手を繋いでもらった夜から……ずっと彼の優しさに甘えて、一緒に寝てもらっていた。

 けれどもやっぱり、それはやめておくべきだったのだ。結局こうして、ひとりでは眠れない──まるで子どものような、情けない有り様になってしまったのだから。

 だけど、どうしても、あの安心感に抗えなかった。

 朔夜さんはかっこいい大人の男性で、だから、一緒にベッドに入ってしばらくは心臓がうるさいくらいドキドキしている。

 でもだんだん、その自分の心臓の音が心地よくなってきて……気づけば、眠りに落ちているのだ。
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