エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
……まあ、そんな私のささやかな決意は、朔夜さんの押しの強さと口の上手さでまんまと崩されてしまったのだけれど。
「……ありがとうございます、朔夜さん」
店を出ながら彼にかけた言葉は、我ながら複雑な響きを持っていた。
店員に「このままつけていかれますか?」と尋ねられ「お願いします」と朔夜さんがにこやかに答えた結果、さっそく私の耳に飾られることとなった購入したばかりのピアスが、歩くたびにしゃら、と揺れる。
振り向いた彼は、なんだかとても満足げだ。
「どういたしまして。やっぱりそのピアスにして良かった。すごく似合ってる」
「お褒めにあずかり光栄です……」
ストレートに褒められて、思わず顔が赤くなる。
チェーンの先についたパールが揺れるホワイトゴールドのロングピアスは、私もひと目見て気に入った素敵なデザインだ。
思わずじっと視線を注いでいた私に目ざとく気づいた朔夜さんは、あっという間に購入を決めてしまった。
上品な内装のジュエリーショップで「いりません」などと押し問答を続けるのもはばかられて、結局は彼の厚意をしぶしぶ受け入れたんだけれど……申し訳ないと思うのと同時に、やっぱりうれしいし、こんなふうに褒めてもらえると照れる。
私の反応を見て、朔夜さんは満足そうな笑み。
「……次は、コートか靴にするか」
「朔夜さん?!」
「ははは」
聞き捨てならないつぶやきが聞こえたので思わず声をあげるが、しれっと流されてしまった。
冗談っぽく言っていたけれど、きっと朔夜さんは実行する。このままだと、彼からの贈り物で全身コーデが完成してしまう。さすがにいたたまれない。
「さ、朔夜さん、私からも何か、お返しをさせてください」
駐車場に停めていた車に戻ってから、私はそう申し出た。
運転席の朔夜さんが、きょとんと目を丸くする。
「ピアスの礼ってことか? ただ俺が陽咲にプレゼントしたかっただけだから、気にしなくていい」
「えと、ピアスのこともそうですけど……私も、朔夜さんに日頃のお礼をしたいんです」
予想した通りの言葉が返ってきたけれど、私も食い下がる。
助手席から、じっと朔夜さんを見上げた。彼もまた、私を見つめている。
朔夜さんの顔は綺麗すぎて、平凡な容姿を持つ私はこんなふうに見られると、思わず手のひらで自分の顔を隠してしまいたくなる。
けれども今はなんとなく逸らしたら負けな気がして、私はがんばって視線を合わせ続けた。
「……ありがとうございます、朔夜さん」
店を出ながら彼にかけた言葉は、我ながら複雑な響きを持っていた。
店員に「このままつけていかれますか?」と尋ねられ「お願いします」と朔夜さんがにこやかに答えた結果、さっそく私の耳に飾られることとなった購入したばかりのピアスが、歩くたびにしゃら、と揺れる。
振り向いた彼は、なんだかとても満足げだ。
「どういたしまして。やっぱりそのピアスにして良かった。すごく似合ってる」
「お褒めにあずかり光栄です……」
ストレートに褒められて、思わず顔が赤くなる。
チェーンの先についたパールが揺れるホワイトゴールドのロングピアスは、私もひと目見て気に入った素敵なデザインだ。
思わずじっと視線を注いでいた私に目ざとく気づいた朔夜さんは、あっという間に購入を決めてしまった。
上品な内装のジュエリーショップで「いりません」などと押し問答を続けるのもはばかられて、結局は彼の厚意をしぶしぶ受け入れたんだけれど……申し訳ないと思うのと同時に、やっぱりうれしいし、こんなふうに褒めてもらえると照れる。
私の反応を見て、朔夜さんは満足そうな笑み。
「……次は、コートか靴にするか」
「朔夜さん?!」
「ははは」
聞き捨てならないつぶやきが聞こえたので思わず声をあげるが、しれっと流されてしまった。
冗談っぽく言っていたけれど、きっと朔夜さんは実行する。このままだと、彼からの贈り物で全身コーデが完成してしまう。さすがにいたたまれない。
「さ、朔夜さん、私からも何か、お返しをさせてください」
駐車場に停めていた車に戻ってから、私はそう申し出た。
運転席の朔夜さんが、きょとんと目を丸くする。
「ピアスの礼ってことか? ただ俺が陽咲にプレゼントしたかっただけだから、気にしなくていい」
「えと、ピアスのこともそうですけど……私も、朔夜さんに日頃のお礼をしたいんです」
予想した通りの言葉が返ってきたけれど、私も食い下がる。
助手席から、じっと朔夜さんを見上げた。彼もまた、私を見つめている。
朔夜さんの顔は綺麗すぎて、平凡な容姿を持つ私はこんなふうに見られると、思わず手のひらで自分の顔を隠してしまいたくなる。
けれども今はなんとなく逸らしたら負けな気がして、私はがんばって視線を合わせ続けた。