エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
彼女の返事を聞いてすぐ、私は立ち上がった。
きょとんとしている藤嶋さんと朔夜さんを置いて、慌ただしくリビングを出る。
そうして自室で目的のものを手にすると、急いでリビングへ戻ってきた。
「あの、お兄ちゃんの部屋を片付けていたら、見つけて……私の誕生日プレゼントはもうもらっていたから、なんだろうって思ってたんですけど」
まとまりがなく話しながら、手にしていた小箱を藤嶋さんに向かって差し出す。
「ごめんなさい、中身を確認するために開けてしまったんですけど……たぶんこれ、藤嶋さんへの誕生日プレゼントだったんだと思います」
目を見開いた彼女が、私からそっと小箱を受け取る。
そこに入っていたのは、ピンクゴールドのベルトに繊細なデザインの文字盤が素敵な腕時計だった。震える指先でその時計を撫でる藤嶋さんに向け、私は微笑む。
「私に用意してくれたのにしては、大人っぽいなと思ってて……やっぱり、藤嶋さんにぴったりです」
藤嶋さんが、そこで初めて、耐えきれなかったように声をあげて泣いた。
私もつられて涙をこぼしながら、彼女の傍らに立って背中をさする。朔夜さんも、黙って私たちを見守ってくれていた。
「……実は私、来週アメリカに転勤するの。本当は陽葵くんと付き合っているときに打診されたんだけど、彼と離れるのが嫌で迷っていて……でもこうなって、いつまでも泣いているわけにもいかないから、行くことに決めた。実は、海外で働くのはずっと夢だったの」
ようやく涙が落ちついた藤嶋さんが、泣き腫らした赤い目もとながら、けれどどこか吹っ切れたような表情でそう話す。
「そうなんですね。大変だと思いますけど、応援してます」
「ありがとう、陽咲ちゃん」
きょとんとしている藤嶋さんと朔夜さんを置いて、慌ただしくリビングを出る。
そうして自室で目的のものを手にすると、急いでリビングへ戻ってきた。
「あの、お兄ちゃんの部屋を片付けていたら、見つけて……私の誕生日プレゼントはもうもらっていたから、なんだろうって思ってたんですけど」
まとまりがなく話しながら、手にしていた小箱を藤嶋さんに向かって差し出す。
「ごめんなさい、中身を確認するために開けてしまったんですけど……たぶんこれ、藤嶋さんへの誕生日プレゼントだったんだと思います」
目を見開いた彼女が、私からそっと小箱を受け取る。
そこに入っていたのは、ピンクゴールドのベルトに繊細なデザインの文字盤が素敵な腕時計だった。震える指先でその時計を撫でる藤嶋さんに向け、私は微笑む。
「私に用意してくれたのにしては、大人っぽいなと思ってて……やっぱり、藤嶋さんにぴったりです」
藤嶋さんが、そこで初めて、耐えきれなかったように声をあげて泣いた。
私もつられて涙をこぼしながら、彼女の傍らに立って背中をさする。朔夜さんも、黙って私たちを見守ってくれていた。
「……実は私、来週アメリカに転勤するの。本当は陽葵くんと付き合っているときに打診されたんだけど、彼と離れるのが嫌で迷っていて……でもこうなって、いつまでも泣いているわけにもいかないから、行くことに決めた。実は、海外で働くのはずっと夢だったの」
ようやく涙が落ちついた藤嶋さんが、泣き腫らした赤い目もとながら、けれどどこか吹っ切れたような表情でそう話す。
「そうなんですね。大変だと思いますけど、応援してます」
「ありがとう、陽咲ちゃん」