エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
私の心からの言葉に、藤嶋さんは穏やかな表情で応えた。
それから彼女は、私の右隣に座る朔夜さんへと視線を向ける。
「本当は、私の存在は黙ったままの方がいいかとも思ったんだけど……転勤の話を秋月くんにしたら、絶対陽咲ちゃんに会って話した方がいいって言われて。……秋月くんの言った通り、今日、陽咲ちゃんと話せて本当に良かったわ。まあ、秋月くんと陽咲ちゃんが一緒に住んでいるのはびっくりしたけど」
心なしかおもしろがっているような表情の藤嶋さんに対し、朔夜さんはばつが悪そうな顔だ。
話をしたというのは、あの、お墓参りの帰りに来た電話だろうか。私もなんと答えたらわからなくて、苦笑した。
「陽咲ちゃん。この腕時計、もらってもいい?」
「もちろんです。それは最初から、藤嶋さんのものですから」
「ふふ、ありがとう」
一緒にとっておいたラッピングごと、大事そうに腕時計の箱をバッグの中にしまった藤嶋さんが立ち上がる。
「長々とお邪魔しちゃってごめんなさい。ふたりとも、今日はありがとう」
「いえ、こちらこそ、来てくださってありがとうございました」
「俺は座ってただけだし」
「それはそうね」
藤嶋さんは気安い態度で、朔夜さんにイタズラっぽく笑う。
お兄ちゃん経由で、きっとふたりは、何度も会ったことがあったんだろう。仲は良さそうだけど、あくまで友人といった空気しか感じない。……つまり私が勝手に感じていた“女の勘”は、まったくの的外れだったわけだ。
それから彼女は、私の右隣に座る朔夜さんへと視線を向ける。
「本当は、私の存在は黙ったままの方がいいかとも思ったんだけど……転勤の話を秋月くんにしたら、絶対陽咲ちゃんに会って話した方がいいって言われて。……秋月くんの言った通り、今日、陽咲ちゃんと話せて本当に良かったわ。まあ、秋月くんと陽咲ちゃんが一緒に住んでいるのはびっくりしたけど」
心なしかおもしろがっているような表情の藤嶋さんに対し、朔夜さんはばつが悪そうな顔だ。
話をしたというのは、あの、お墓参りの帰りに来た電話だろうか。私もなんと答えたらわからなくて、苦笑した。
「陽咲ちゃん。この腕時計、もらってもいい?」
「もちろんです。それは最初から、藤嶋さんのものですから」
「ふふ、ありがとう」
一緒にとっておいたラッピングごと、大事そうに腕時計の箱をバッグの中にしまった藤嶋さんが立ち上がる。
「長々とお邪魔しちゃってごめんなさい。ふたりとも、今日はありがとう」
「いえ、こちらこそ、来てくださってありがとうございました」
「俺は座ってただけだし」
「それはそうね」
藤嶋さんは気安い態度で、朔夜さんにイタズラっぽく笑う。
お兄ちゃん経由で、きっとふたりは、何度も会ったことがあったんだろう。仲は良さそうだけど、あくまで友人といった空気しか感じない。……つまり私が勝手に感じていた“女の勘”は、まったくの的外れだったわけだ。